ポートランド「反同性婚集会」 見物記 (4/4)

次第に集会への参加者は増えて来たようですが、それでも白人・中高年ばかり。これが「宗教右派」のデモグラフィックなら、30年くらいたてば消えて無くなるんじゃないでしょうか? …って、そんなに甘くはないですね、はい。

カウンター・デモンストレーションの方も、最終的にはかなり集まりました。どちらが多いかはちょっとよく分かりませんが、年齢層について比べると、圧倒的にカウンター・デモンストレーションの方が広かったです。

集会が終わって、署名用紙を参加者に配っているところ。リコールに必要なだけの署名が集まるかどうか不明ですが、もし選挙になればダイアン・リンの応援に行くつもりです。

カウンター・デモンストレーションの方もこれで解散、の前に、「来週木曜日に『同性婚について、まだ態度を決めていない人にどう説明するか』のワークショップがありますよ」と宣伝していました。わたしも誘われたので、暇なら参加してきます。

ポートランドを含むマルトノマ郡で同性婚が合法化された後、共和党が多数を占めるオレゴンの州議会では早速「同性婚を禁止する憲法修正案」を提案する動きがあり、早ければ5月にも住民投票が行われる事になります。普段なら重要な住民投票は11月に行われるのに、わざわざ議会を臨時招集してまで憲法改正を急ぐのは何故か。まず第一に、このまま結婚する同性カップルの数が増え続ければ、既成事実化しかねない事。そして第二に、時間が立てば同性婚を認める動きが州内外でさらに広がって、止められなくなるのではないかという不安がある事。いずれにしても、十分に州全体に対して「どうして同性婚が必要なのか」を説明する機会がないまま、一気に住民投票になだれ込むのは賛成派にとっては不利に決まっています。

今日のカウンター・デモンストレーションでは、集会参加者とほぼ同数の同性婚支持者が集まり、またダンスや歌を交えたお祭り的な要素がありましたが、それはリベラルな市民が多いポートランドだからありえる事。今後、オレゴン東部や南部の田舎に住んでいる人たちに同性婚を支持してもらう、あるいは少なくとも同性婚禁止を憲法に盛り込むのはやり過ぎだと理解してもらうには、お祭りだけではいけません。何よりも感情的にでなく戦略的に動くことが要請されますし、反対派を茶化したり野次を入れたりするのではなく正面から向き合って真面目に説得することが必要になります。

そうした説得がうまくいくのかいかないのか、今の時点では分かりません。しかし、過去4度の「反同性愛」住民投票において、最初の1つを除き、差別的な提案を3回連続して僅差で否決してきたオレゴン市民の理性を信じて語りかけるしかないのでしょう。そのためにも、せめて彼らを説得するだけの時間があればと、今切実に思っています。

一方、クリスチャン・コーリションが現在取り組んでいるのが、ダイアン・リン行政官のリコール運動。何故彼女かというと、「同性婚を認めるべきである」という郡の法律顧問のアドバイスを受けて、公開の会議に問わずに行政判断で同性カップルに結婚証明書を発行するよう命令したのが彼女だから。こちらは、仮にリコール選挙が行われるとしても州全体ではなくマルトノマ郡だけの選挙なので、勝ち目は十分にありそう。リコール選挙になれば、彼女の地位を守るために応援しようと思っています。